昨日23日、フランス大統領選の第1選を通過して、決戦投票に進むことになったエマニュエル・マクロン氏 (39歳)。
そのマクロン氏の夫人は24歳年上のブリジットさんで、彼の高校時代の教師だったという純愛物語が話題になっていますね。
マクロン氏が当選すれば、24歳年上のファーストレディーが誕生することになります。
マクロン氏は、16歳の時に通っていた高校で、国語教師兼演劇部顧問のブリジットさんと恋に落ちました。
当時彼女は40歳で、3人の子持ちの人妻。その子供の一人はマクロン氏のクラスメイトだったといいます。
2人の交際に猛反対したマクロン氏の両親は彼をパリの高校に転校させてしまいます。
転校するとき、17歳だったマクロン氏はブリジットさんに求婚。
転校後まもなくして、ブリジットさんは当時の夫と離婚して、マクロン氏を追ってパリで教師の仕事を得ます。
そして約束どおり、2人は事実婚を経て2007年に結婚。
現在は大統領候補とそれを支えるパートナーとして、ともに選挙活動に勤しんでいます。
「ドラマのような恋愛」と評する記事が複数見受けられます。
先生と生徒のカップルは自然な成り行きですし、そういうカップルはたくさんいます。必然的に年齢差が出ます。男性が年上で女性が年下の組み合わせが多い中、このお2人はその逆のカップルなので目立ちますが。
しかし、「ドラマのような」となるのは、先生と未成年の生徒の恋愛、不倫、略奪愛を経た一途な恋愛だからでしょう。
フランスでは、この2人の恋愛が純愛と好意的に語られますが、多くの日本人からすると、刺激の強すぎる不純な恋愛にしか映らないかもしれません。
まじめでクリーンなイメージが求められる政治家に恋愛スキャンダルは禁物の日本。
つい先日も、多重婚問題で世間を騒がせた自民党議員が離党しましたね。
しかし、奔放な恋愛大国フランスはかなり違いますよね。
歴代の大統領を見ても分かりますが、現大統領のオランド氏はバレリーさんを略奪愛して前パートナーと事実婚を解消し、今度は女優との不倫が発覚して、バレリーさんと事実婚を解消。
前大統領のサルコジ氏は任期中に離婚し、若いモデルのカーラさんと再々婚しましたし、ミッテラン元大統領には隠し子がいました。
フランスでは政治と恋愛スキャンダルが混同されることはないようです。
マクロン氏とブリジット夫人は、周囲に左右されず、自らの意思で困難な恋愛を成就させたカップルの一例にすぎません。
長年気持ちが離れずにいたのは、互いに尊敬し合える対象だったからです。
24歳下のガキだけどカワイイから許せるとか、24歳上のオバさんだけど頼れるし、といった感情だけではカップルは成立しません。2人は尊重できる考え方や経験、素質を互いに見いだせていたはずです。
女性の立場から見ると、40歳でマクロン氏と出会い、離婚を決めてまで24歳年下の彼を追いかけていったブリジットさんの選択は、「自分に正直な人」「勇気のある行動」「自分にはできないわ」「きもいわ~」と反応はさまざまだと思います。
男性の立場から見たマクロン氏のとった選択も同様です。エリート校を卒業して、銀行家から経済大臣に抜擢された人物が、24歳年上の高校時代の教師に対する一途な愛を貫き、結婚。愛があれば歳の差なんて・・・を体現するマクロン氏に対する反応もそれぞれでしょう。
重要なのは、幸せをつかむためには他人の評価ではなく自分軸で生きること。そしてそこには年の差や、年齢に対する固定観念を押し挟む隙はないということを改めて感じさせてくれます。
5月7日の決選投票でマクロン氏が当選すれば、フランスの現代政治史上、最年少かつ既成政党以外からの初の大統領が誕生することになります。