今回は、6月12~13日に訪れた奥入瀬渓流と十和田湖を紹介します。
十和田市に7年ほど住んでいたこともあり、奥入瀬渓流と十和田湖には何度も足を運んでいます。今でも私の大のお気に入りスポット。
いつ訪れても美しいですが、やはり紅葉と新緑は格別。紅葉はもちろん綺麗ですが、私はどちらかというと5月~6月の新緑の時期がすがすがしくて好きです。
実家に帰省すると毎回のように訪れていますが、この時期に日本に居るのは珍しいので、新緑の奥入瀬と十和田湖を見るのは久々。
実家からは青森市内から八甲田を経由して奥入瀬渓流下流の焼山 (やけやま) という地区へとドライブ。
八甲田山も見どころがいっぱいあるのですが、あいにく山は天気が悪く小雨交じりで視界不良。道ばたや山には残雪がありかなり寒かった~。
ブナ林を通り抜けて下っていくと焼山 に到着。晴れ間が見えてきました。分かれ道を十和田湖方面に進むと、奥入瀬渓流のせせらぎが聞こえてきます。
奥入瀬渓流
奥入瀬渓流は、青森県と秋田県の県境にある十和田湖という巨大なカルデラ湖から流れ出ている奥入瀬川の上流にある渓流です。
十和田湖畔の子ノ口 (ねのくち) から焼山 (やけやま) までの約14kmの渓流を奥入瀬渓流と呼びます。十和田八幡平国立公園に属し、国指定の特別名勝及び天然記念物です。
奥入瀬渓流は、渓流に並行して遊歩道と車道があることで世界的にも有名なんです。だから、誰でも散策しやすいのが魅力の一つ。
車を降りてから入り組んだ森の奥深くに入ることなく、人と同じ目線で清流や滝を感じることができるので、誰にでも開かれた森と言えます。
また、14kmにわたって、苔やシダ、ブナなどの豊かな樹木や数々の滝、奇岩などで形成された渓流美を堪能できる場所は他にないのではないでしょうか。
今年の奥入瀬渓流は、例年よりも新緑の時期が1~2週間ほど早いそうです。道理で、私が行った6月12日は新芽がかなり成長し初夏の装いでした。
渓流の散策は下流から上流に向かって歩くのがおすすめ。下流から見たほうが、美しい流れの白い水しぶきを見ることができます。
石ヶ戸 (いしげど) 休憩所にある遊歩道案内。渓流の全体像と見どころが確認できます。
特に名前のついてない場所もいちいちキレイ。緩い流れ・・・見ているだけで心が穏やかに
写真撮りまくりましたが、ここに掲載した写真はほんの一部。
緑と清流を見ているだけで心が洗われました。
奥入瀬渓流の散策方法
個人旅行の場合、奥入瀬渓流の散策にはいくつかの移動手段があります。遊歩道も車道も渓流に並行しているので手軽に散策できます。
徒歩 (+ JRバス / ホテルの送迎バス)
じっくり散策したい人には、徒歩がおすすめです。
ただし、焼山から子ノ口までは、距離にして約14km、歩くと4~5時間かかります。
時間と体力のある人は、焼山から子ノ口の全行程を徒歩で完結してみるのもいいでしょう。
でも、そんなに時間も体力もないし~という方は、JRの路線バス (一部ホテルの送迎バスもあり) が運行されているので、徒歩とバス移動をうまく組み合わせて見どころを散策するのがおすすめです。
奥入瀬渓流らしい見どころスポットが集まった中流エリア、JRバス停で言うと「石ヶ戸」から「雲井の滝」間は必ずおさえたい区間です。
多くの滝が集まっている上流エリアは、バス停「雲井の流れ」から「銚子大滝」間にあります。
自転車
見どころは押さえたい、でも14km歩くのはしんどい、風を切って進みたい人には、レンタサイクルもあります。見どころは徒歩で移動は自転車での組み合わせです。
奥入瀬渓流館・石ヶ戸休憩所・JRバス子ノ口の3箇所で自転車を借りることができます。
詳細はこちらをご覧ください。
宿泊施設でも貸し出しているところがあるので確認してみましょう。
自転車は車道しか走れません。車を運転しているとわかりますが、途中登ったり下ったりで多少しんどいところがありそうですが、全体的にゆるやかな傾斜が続きます。
車
私もいつもマイカーですが、個人または数人での観光はマイカーやレンタカーで移動することが多いですよね。
しかし、渓流沿いの道路には所々に駐車スペースがあるとはいえ、非常に限られています。まず石ケ戸に停めて少し歩いて・・・、雲井の滝あたりで停めて少し見て・・・、流れが綺麗なところで路上駐車してダッシュで写真撮ってきて・・・と、ちょっとずつ気になるスポットをかいつまんで楽しむ感じになります。
観光シーズンでなければ駐車スペース以外で路駐してもそれほど問題ありませんが、特に秋の紅葉シーズンは大型観光バス、マイカー、バイクと大混雑するので駐車が大変になります。そういうときは、車って便利だけど邪魔に感じてしまう瞬間でもあります。
車で来ている場合でも、体力的に問題ないのであれば、奥入瀬渓流館などの広い駐車場に停める、または近場に宿泊しているのであれば宿泊所に車を置いて、JRバスやレンタサイクルを使えば車の心配がないですね。
今回は幸い、観光客も車の数も少なかったので、車を停めては写真を撮るを何カ所でも繰り返すことができました。本当はじっくり歩きながら渓流を散策したいところですが、足腰の弱い母と一緒だったので、石ヶ戸から上流に往復1.5キロほど歩いた以外は車をちょこちょこ止めての移動でした。
奥入瀬渓流の上流に行き着くと、その先には十和田湖が現れます。
十和田湖
十和田湖は、青森県十和田市と秋田県鹿角郡小坂町にまたがる本州最北端の山上湖。十和田火山の噴火で形成された二重カルデラ湖で、現在も活火山に指定されています。
十和田八幡平国立公園内にあり、国内の湖沼では12番目の面積 (59.71平方km) を誇り、最大深度は326.8mで3番目の深さ、周囲は46km。湖水の透明度と美しい景観、特産物のヒメマスが観光資源。
奥入瀬渓流上流の子ノ口からみた十和田湖。あいにくの曇り空だったので写真が真っ暗ですみません。ここは遊覧船の発着場と食堂・お土産店が数件ある程度。
湖沿いを、宿泊施設が多く集まる県境の休屋(やすみや)方面に向かう途中の断崖にある展望台「瞰湖台 (かんこだい)」からの眺め。曇り空のもと素人がスマホで撮った写真なのでぜんぜん魅力がないですが、雑誌やパンフレットに載っている十和田湖の写真はここ「瞰湖台」からの眺めが多く、十和田湖ドライブでは必須のスポット。バイパス道路ではなく旧道を通らないとこの展望台はありませんので要注意。夏の快晴時は冒頭の写真のような十和田湖の絶景が拝められます。
瞰湖台から少し車を走らせるとすぐ休屋ですが、この後、秋田県小坂町にある康楽館の芝居を見る予定があったので、休屋の宿に到着したのは夕方5時半ごろでした。
翌朝、朝食前に乙女の像まで湖沿いを散歩。
遊覧船が休憩中。今回は時間の都合で乗船しませんでしたが、遊覧船でゆっくり湖上を巡るのも心地いいですよ。
帰りは休屋の目抜き通りを歩いてみました。かつて、十和田湖の休屋地区は県内外からたくさんの観光客や団体客が宿泊する観光名所でしたが、現在は休廃業したホテルや食堂、売店が並びかなり景観を損ねています。
休屋をはじめ十和田湖地域は、1936年に国立公園の指定を受けて、国や県によって施設が整備され、高度成長期には団体客を中心に賑わいをみせていました。十和田湖に来ると、修学旅行や団体ツアーのバスが何十台と停まっている光景をよく目にしていましたから。
しかし、団体旅行が衰退し、個人旅行のニーズへの対応にも出遅れた上に、2011年の東日本大震災の影響によって観光客が激減。
以前は大自然の中にある綺麗な湖というだけで人が集まって来ましたが、今は観光客側の旅行スタイルや求める要素も多様化しているので、自然が自慢の山奥の湖だけではそっぽを向かれる時代なんでしょうね。
ここ数年は、低迷する観光を活性させるためのさまざまな取り組みが行われているようですが、まだまだ以前のような活況にはほど遠い状況のよう。
自然環境を生かしたアクティビティや青森・秋田両県の近隣の観光地を組み入れたツアーなどはもちろん需要があって喜ばれると思いますが、この自然美溢れる地で、ゆったりくつろぐ長期滞在型の休暇を楽しめる観光地に移行していってもらいたいとも感じます。そのためには課題も多いですが。
欧米型のホリデーの過ごし方のように、長期間一箇所を起点に、周辺を散策したり、アクティビティーをしたり、近場に足を伸ばしたり。はたまた1日中寝そべって読書三昧の日があったり・・・みたいな余裕です。
でも、現状の日本では難しいですよね。休暇が短いですから、どうしても「短期間にあっちもこっちも盛りだくさん」が要求されます。まずは、当然の権利である有給休暇なのに取りずらくて消化できないという環境をなくさないと。
十和田湖を満喫できるアクティビティー
閑静なたたずまいの十和田湖の景色を眺めるだけでも普段の喧噪から逃れられますが、さらに十和田湖を満喫できるアクティビティーもいろいろありますよ。
■遊覧船巡り
■カヌーツアー
■ボートアドベンチャー
■モーターボートクルージング
■ボートクルーズ
■ボートレンタル
■キャンプ
など。詳細はこちらをご覧下さい。
私はぜひカヌーツアーに参加してみたい!
【追記】2017年7月
十和田湖のカヌー乗ってきました!
絶好のお天気、透明度の高い水面、湖上でティータイム・・・なんとも贅沢な時間でした。超絶お勧めです。
予約は、こちら「Towadako Guidehouse 櫂(かい)」です。
何度も訪れている奥入瀬渓流・十和田湖ですが、今回改めて、これほどの自然美を間近で手軽に堪能できる場所は本当に貴重だと感じました。
奥入瀬渓流ほど繊細かつ大規模な渓流は見たことがないし、普段の目線で手近に散策を満喫できるのも珍しいです。
十和田湖は、柔らかで穏やかな湖面、湖面ギリギリまで木々が迫っている閑静なたたずまいは、湖の色と相まって神秘的です。また、どの展望台からも湖全体を見渡せないんですよね。それがまた広大さと神秘さを増します。
新緑の奥入瀬渓流・十和田湖でリフレッシュできた2日間。紅葉の時期に行けるのはいつになるかな~。
参考情報
■ロケーション
■参考サイト
・十和田湖国立公園協会
・十和田湖奥入瀬ろまん新聞
・青森県観光情報サイト アプティネット
・奥入瀬エリア情報
・JRバス 奥入瀬渓流・十和田湖 (路線バス)