年の差カップルが直面する現実的な課題は、ライフステージの違いです。

人は幼少期から老年期に到るまで、勉学、仕事、結婚、子供、リタイヤ、介護など、さまざまなイベントを通過しながら人生の段階を移行していきます。この人生の段階がライフステージです。

同世代カップルであれば、ライフステージが近いのでふたりの未来を考えやすいです。同じ年代で進行していくので、結婚の時期や子供をもうける時期、老後の生活などの人生設計がしやすいでしょう。

一方、年齢差の大きいカップルは、ライフステージがずれているので、仕事や結婚、子供、老後に関する希望に差が出たり、予想やイメージがしづらくなります。

長期的な関係や結婚を考えるようになってきたら、お互いのライフステージの違いを認識して、心の準備をしておく必要があります。

例えば、仕事、子供、老後について考えてみましょう。

仕事

今は働き盛りで収入が多い彼でも、この先必要になる子供の教育費や家のローン、老後の生活費をリタイアするまでに稼ぐことはできるでしょうか?

共働きの場合でも、あなたが働き盛りのときには年上の彼はリタイアしている、という時期が必ずやってきます。

あるいは、かけがえのない彼が亡くなった後も、仕事をして自活していかなければならない状況も大いに考えられます。

年上の彼がリタイアしても亡くなっても十分暮らしていける余裕があるのであれば問題ないですが、いざというときには、あなたが家計を支えていく覚悟が必要です。

子供

年齢差のあるカップルにとって、子づくりは慎重にならざるを得ないかもしれません。

あなたはまだ先でもいいと思っていても、彼の年齢を考えると・・・と感じてしまうかもしれません。
あるいは、あなたは子供を欲しいと考えていても、かなり年上の彼は消極的に考えているかもしれません。

また、女性が高齢であれば、妊娠自体が難しくなりますし、男性が高齢の場合のリスクもありますので、子供は要らないという選択をする覚悟も必要です。

彼がリタイアする頃、子供は何歳になっているでしょうか? 年の差カップルは、年上の彼のリタイアと子供に一番お金がかかる時期が重なることが多いので経済面も考慮する必要がありますね。

子作りについては早い段階で話し合っておくべき問題です。

老後

高齢になると何かしら体の不調が出てきます。

あなたはまだまだ元気なのに、かなり年上の彼は介護が必要になることは十分考えられます。そのとき、あなたは親身になってずっと彼の面倒をみていく覚悟はありますか?

また、自然な流れで行くと、年上の彼が先に亡くなり、年下のあなたは残されます。ただでさえ女性の方が寿命が長い上に、彼と10歳、20歳も離れていれば、彼に先立たれた後には長い余生が待っています。その余生を一人で生きる自信はありますか?

余生を楽しむためにも、生活基盤となる資金はもちろん、生きがいとなる仕事や趣味、信頼できる人脈作りをしておくことは、年の差カップルには不可欠になります。

私も最初からお互いのライフステージの違いを深刻に考えていたわけではありません。つきあい始めの楽しい頃はそんなことは頭にありませんでした。

それぞれが新しいステージに移行するたびに、少し先を見据えてできる備えをしてきた感じです。

仕事を辞めてオーストラリアに来てからは、きな男のリタイアを見据えて、一緒に過ごす時間を増やすために、休みを自分でコントロールできる在宅フリーランスで仕事をする選択をし、そのための勉強に励みました。

また、数年前から私の親の介護が始まり、オーストラリアと日本を行き来することが多くなりました。親とほぼ同年代のきな男ははまだまだ元気ですが、もしかしたら近い将来、親ときな男の介護が重なる可能性も出てきます。そうなることを予想して、今は仕事のやり方や身辺整理、日本への帰国を視野に入れて身動きしやすい体勢を整えている段階です。

まだ先のことをくよくよ考えるということではなく、それぞれのライフステージの違いをしっかり認識して準備を進めれば、いざというときにも余裕を持ってお互いをサポートできると思います。