春から秋にかけて実家の食卓に上る山菜は、ワラビ、コゴミ、ウド、ネガマリタケ、フキ、ミズ (ウワバミソウ) など。
もらい物もありますが、山菜採りが好きな母が山へ行って採ってくるものも多いです。道の駅の産直売り場などにも豊富に並びます。
私は、若い頃は山菜なんて見向きもしませんでしたが、この年になってその味わい深さを感じるように。日本にいないと食べられない山菜の数々。オーストラリアでは山に生えてる草なんて食べませんから。
今回は、地元民が何回食べても飽きないという、今が旬の「ミズ」(学名は「ウワバミソウ」) の下処理方法と代表的な食べ方を紹介します。
ミズ (ウワバミソウ) の特徴
ミズ (学名「ウワバミソウ」)は、その名のとおり、シャキシャキとしたみずみずしい歯ごたえとヌメリが特徴。アク抜き不要で、クセがなくさっぱり味の山菜として、青森県では広く親しまれています。ビタミンB1、B2、Cやミネラルが多く、肌や体に良いと言われています。
青森では5月下旬から7月上旬が美味しい時期。ミズは全国的に分布しますが、北日本の茎の根元が赤く太い赤ミズは、大型で柔らかく、品質が優れているそうです。
上の写真のミズは6月初旬に母が採ってきたもので、まだ茎は細いですが、柔らかくみずみすしかったです。
ミズの下処理
ミズは、調理する前に薄皮を剥いて茹でて下処理しておきます。量が多いと皮剥きはけっこう手間。母よお疲れさん。
- 下の葉から上の葉の順に葉を取りながら茎の薄皮を剥きます。
- 葉を取り終わったら、4~5cmの食べやすい大きさに手で折りながら根元まで皮を剥きます。
- 鍋に湯を沸かし沸騰したら、塩をひとつまみ入れてミズを1,2分茹でます。
- 色が鮮やかな緑色になったら冷たい水にさらした後、水切りします。
*下処理については、「みずの皮のむきかた」や「山菜ミズ調理編」(地元のレシピがおいしそう)の動画が参考になります。
ミズの保存方法
採りたてのものを早めにいただくのが一番新鮮でおいしいですが、多少は保存も利きます。塩漬けにすると長期保存も可能です。
① 下処理しない生のミズ: 新聞紙にくるみ、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存(保存期間は2~3日)
② 下処理したミズ: 水の入った容器に入れ、冷蔵庫で保存(保存期間は2~3日)
③ 下処理したミズの塩漬け: ミズと多めの塩を袋に入れよく混ぜて冷蔵保存。塩漬けしたミズは調理する前にボウルにミズとたっぷりの水を入れ 何度か水を取り替えて塩抜きをします。
ミズの食べ方
ミズは上記のように下処理した後、おひたし、水物、和え物、油炒め、汁の具などにして食します。茎の根本の赤い部分は細かく刻むか叩きつぶすと、とろろのように粘りが出ます。
実家では、昆布・塩・一味で味付けしたシンプルな水物をはじめ、ミズの味噌汁、ミズと数の子の和え物、ミズの卵とじ、あとは豚肉、油揚げ、さつま揚げ、糸コンなど好きな具と一緒に醤油ベースの炒めものにすることが多いですね。
青森では今の時期、海と山の幸を組み合わせた「ミズとホヤの水物」が郷土料理としてよく食べられています。今回は、近くの道の駅に行ったら、タイミング良く天然ホヤが売っていたので青森定番の「ミズとホヤの水物」でいただきました。
■材料【5人分】
・ミズ・・・1把
・ホヤ・・・2~3個
だし汁
・だし昆布・・・3cm
・水・・・・・・600cc
・塩・・・・・・大さじ1
■作り方
- ミズを下処理します。
- ホヤは皮と汁を除き、内臓をとり、塩もみした後水洗いし、食べやすい大きさに切っておきます。
- 昆布を入れてだし汁をつくり、塩味をつけ冷ましておきます。
- 1と2を合わせて小鉢に盛り、3のだし汁を注ぎ入れます。
ホヤの塩味とミズのシャキシャキ感が絶妙な大人の一品です! 是非お試しを。
生のミズは期間限定でネットでも購入できます。
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2,3年前、東京の友達がたまたま入った小料理屋で、前菜にミズの水物が出てきて、見たことも食べたこともなかったたので、店の女将さんに聞いたら、青森産の「ミズ」という山菜だと教えてもらったそうです。
その女将さん自身も青森県出身だそうで、やはり「この時期になると恋しくなるんだ~」って言っていたよと、報告してくれました。
母は「白いご飯とミズがあれば1ヶ月は飽ぎね」と言っております。