父が入院して一人暮らしになった母は、車が運転できないし、近くにスーパーがないので、食料品や日用品などおおまかな生活用品の調達は「生協」を利用しています。
生協とは「生活協同組合」の略で、英語では「cooperative」なので略して「COOPまたはCO-OP (コープ)」。
なので、生協=コープ=COOP=CO-OP です。「生協の宅配」も「コープの宅配」も同じです。海外でも生協はCOOPです。
生協のある暮らし
実家の地区は毎週水曜日に注文した商品が、翌週の水曜日に配達されるスケジュール。
欲しいものはなるべく早く欲しい私からすると、タイムリーさに欠けるものの、母には問題ないようです。
食料品から日用品、衣類、ペット用品、趣味・園芸品、化粧品、薬、家具・家電、保険まで幅広く扱っています。
印刷されたチラシを見て注文書に個数を記入するという、なんとも懐かしいアナログ方式。
もちろんインターネットや電話、FAXでも注文できますが、母は昔ながらの紙版方式。
ガラケーの通話がやっとできるようになったぐらいの母なので、パソコン、スマホ、FAXは到底無理、電話も手間なので、紙版が一番しっくりくるのです。
これがまた、チラシを眺めていると次々欲しくなるんですよね。
うまくできてるな~と感心します。
インターネットだと必要なものを検索してクリックして終わりのことが多いですが、この紙版は欲しいものを探すのに全体をめくることになるので、ついつい余計なものまで注文することに。
この罠にはまって、私が帰省している間は、母が普段注文する金額の3倍以上は買っています。
こういう紙版の注文用紙を配達の担当者に渡して注文できるのは生協ぐらいではないでしょうか。高齢者にはうれしいサービスです。将来、母が紙版の注文用紙への記入が困難になったら、電話で欲しい商品を聞いて、私がインターネットで申し込むこともできます。
母は、週に1回は病院に通っているので、その時に買い物ができるとは言え、自分で持って歩ける重さや量は限られます。冷凍物は長時間持って歩けないし、飲料や米、洗剤などの重い物や、箱ティッシュやトイレットペーパーなどかさばる物は配達してもらわないとやっていけません。
そして、生協の食品はスーパーで買うより割安なものも多く、安心・安全なものが多いです。
温めるだけまたは解凍するだけのおかずや、冷凍食品が充実しているので、食事の支度が楽になるのもいいです。
不在の時でも、保冷箱に入れて指定の場所に置いていってくれるので配達時間を気にしてなくていいから便利だと母は言っています。
また、定期的に取り替える仏壇のお花なども扱っているので、高齢者ならではの品揃えも考慮されています。
生協の利用方法
各地域の生協 (こちらを参照) によって宅配サービスの内容は若干異なりますが、基本的な利用方法は次のとおりです。
配送エリア | 各都道府県全域 (一部制限あり) |
配達手数料 | 1人 (個人宅配)、2人、3人以上 (グループ配達)によって異なり、1人は200円前後、2人ならその半額、3人以上になると無料の生協が多い。また、一定額以上の購入で無料になる場合もある |
配達手数料の割引制度 | 子育て特典、シルバー特典、障害者特典などがあり、手数料が無料や半額などの割引あり |
注文方法 | PC、スマホ、アプリ、携帯、紙版、電話、FAX |
出資金 | 加入時に500~1000円程度 (地域ごとに異なる) を支払いますが、退会時に返金される |
入会金・年会費 | 無し |
配達日不在時 | 専用の保冷箱に入れて指定の場所に置いていくので留守でも安心 |
群馬でお母さんが一人暮らしをしている友達や、東京で暮らしている小さな子供がいるいとこにも生協を勧めたところ、とても喜んでました。関東エリアは「コープデリ」と「パルシステム」がおすすめです。
生協で手に入らないものがある場合は、オーストラリアにいる私に電話をよこしてくるので、私がイオンのネットスーパーやAmazon、楽天などのオンラインショッピングで注文して、実家に宅配してもらうというやり方をしています。
遠く離れていても便利な世の中です。
生協は週一の配達ではありますが、いつも同じ配達員さんが来てくれるので、母が元気でいることを確認してもらっている安心感もあります。
実際、自治体などと「地域見守り協定」の締結を進める生協が増えています。協定は、担当者が配達の際、組合員や地域の高齢者などの異変に気付いた場合、事前に取り決めた連絡先に速やかに連絡・通報を行うというものです。一人暮らしの高齢の親を持つ子供にとってはありがたいサービスです。
まあ、私の母の場合は、それ以前に緊密な近所づきあいや親戚づきあいがありますから、海外に住む私としてはそれが最大の安心につながっています。