更新 2019.05.6

オーストラリアは水泳大国! イアンソープが育つワケ

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オージーは魚類か? と思うくらい、大人も子供も、年中、海やプールで大はしゃぎ。あと、川でも滝でも湖でも、泳げるところはどこにでも入りたがります。

ホント、水に親しむ国民性です。水場がないと生きていけないじゃないかと思うくらい、生活に密着しまくってます。

イアンソープのような世界的に有名な選手を何人も輩出している水泳大国になるのも必然的なような気がします。

今回はそんなオーストラリアの水泳事情をご紹介します。

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海水浴場とプール事情

シドニーのボンダイビーチ。手前はボンダイ・アイスバーグの海水プール。海の波が荒いとプールが波をかぶる。

 

オーストラリアは国の面積は日本の約20倍ですが、人口は約2,400万人 (2016年6月時点)しかなく、その多くは海岸線に住んでいます。

海沿いには海水浴ができるビーチが点々と並んでいるので、カフェ巡りのようにビーチ巡りが楽しめるのです。

海が身近にある以外にも、あちこちに公営の屋内・屋外プールがあります。朝早く(5時、6時)から営業しているところが多いので、選手の朝練はもちろんのこと、会社勤めの人が出勤前に、リタイヤしたおじいさん、おばあさんが健康のためにと、泳ぐことを日課にしている人が多いです。

さらに、自宅にプールがあるのも珍しくありません。何も大金持ちだからということではありません。普通にプール付きの家があちこちにあります。子供のいる家庭はプールが必須と考える親も多いです。維持管理が大変なんですけどね。

アパートなどの集合住宅も、大小さまざまですが屋内か屋外のプールが常設されているところが多いです。

オージーは多少の雨でも傘はさしません。土砂降りの中を平気で歩いている姿をよく見かけます。濡れるのは平気、というか濡れたい願望あるんじゃないのか? と思うほど、水に対する抵抗がありません。

海とプールのレスキュー隊「ライフガード」と「ライフセーバー」の存在

「ライフガード」と「ライフセーバー」は、 海水浴場やプールなどの水辺の安全を守る人たち。

事故を未然に防ぐために監視・パトロールを行い、万一のときには真っ先に水の中に飛び込み、状況によっては人工呼吸や心臓マッサージなどの応急手当を施さなければならない救命集団。

黄色と赤の紐付きの帽子とユニフォームが目印。日本にもボランティアで同じような活動が展開されているところもあるようですが。

オーストラリアの「ライフガード」は地元の自治体に雇用された公務員でれっきとした職業。

一方、「ライフセーバー」は週末や休日に活躍するボランティアです。

どちらも並々ならぬ体力と技術と知識を必要とする仕事。ライフセーバーの選手権や競技会が頻繁に開催されていて、若い世代が切磋琢磨しています。

ライフガードは、今でも子供が将来なりたい職業の一位に君臨する職業でもあります。
レギュラーのテレビ番組があるほどです。

こんな職業の人たちが人気になるのも、オージーの生活が海とプールに密接に関わっている証拠です。

赤ちゃんのときから水泳教室に通う

オーストラリアでは早い子は生後半年から水泳教室に通います。まだハイハイぐらいしかできない子どもです。

これは、単純に子どもを水泳選手にしたいという親の都合ではなくて、まずは水難事故での生存率を高めるためです。

海やプールはもちろん、プール付きの自宅も多いので、水難事故に遭う可能性が高くなります。実際に、自宅のプールや近くの沼で子供が溺死するという悲しいニュースも度々報じられます。

海やプールには資格のあるライフガードや監視員が必ずいますが、自宅は親の責任です。オーストラリアでは小さな子供が自宅のプールに勝手に出入りできないように、ロックできるフェンスが義務付けられています。

また、RLSSA (Royal Life Saving Society of Australia) が行っている「Swim and Survive」(スイム&サバイブ)というプログラムがあります。これは、泳力の習得に応じて段階的に認定級が取得できるようになっています。

ただ泳げるだけでは不十分で、命を落とないようにする知識や技術を身につける必要があるという認識を親にも子供にも養成しています。

さらに驚くのは、水泳は身体能力だけではなく「頭も良くなる」というオーストラリアの調査結果があるんです。

これは、Robyn Jorgensen 教授の指揮の元、グリフィス大学がオーストラリア、ニュージーランド、アメリカに住む5歳以下の子供約7,200人を対象に3年の歳月をかけて行ったもの。

その結果、「早い時期から水泳を習っている子は就学前の時点で幅広い技術を身につけており、それらの技術が今後幼稚園や学校での学習に大いに役立つだろう」とのこと。

また特筆すべきなのが、「スイミングに通う子どもたちは同年代の子どもに比べ、家庭の経済的な事情に関係なく成績が良い」とまとめています。

小さいうちから水に慣れると脳の発達にもいいとなれば、親も必死になりますよね。

因みに、日本の東大生が小学校の頃にやっていた習い事の1位は「水泳」で、全体の60%を占めています。小学生全般の習い事の1位もやはり水泳ですが、占める割合は31%なので、東大生で小学生時代に水泳を習っていた人は、通常の2倍もいることになります。

これらの結果をもって、水泳は頭が良くなるとは単純に言えませんが、少なからず影響しているのかなと感じてしまいますよね。

ビーチは自分の庭?

 

上の写真は私が住んでいる地区のビーチ。アパートのすぐ目の前です。いつもジョギングしたり散歩したりするビーチです。

週末になると、大勢の人がビーチにやってきて、オージー得意のBBQ、誕生パーティー、ランチ、昼寝、読書、散歩にと、それぞれが思い思いに過ごしています。

オージーにとってビーチは、泳いで休むところだけはなく、「憩いの場」であり、「社交場」であり、「広い庭」感覚なのです。


多数のビーチ、プール施設、自宅プールという恵まれた環境で、日常的に水に親しむオーストラリアは、人口比率からすると、恐らく世界一水泳に親しんでいる国だと思います。それ故、少ない人口ながらも整った環境の中で強い水泳選手が育つのも分かります。

水泳の他にも、サーフィン、ヨット、カヤック、ウォータースキーなど、数々のウォータースポーツ天国でもありますが、どれも泳げることが基本ですよね。

Tシャツに短パン、ビーサン、そして下着は水着! というお決まりのスタイルで、いつでも水に入れる体勢を整えているのがオージーです。

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