更新 2022.12.22

スタバが浸透しなかったオーストラリアのエスプレッソとカフェ文化

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オーストラリアに来て驚いたのは、街中にカフェが溢れていること。

大手コーヒーチェーンから個人経営のカフェまで、店舗数が多いのでカフェ巡りが好きな人にはたまりません。

今回はオーストラリアのカフェ文化についてお伝えします。

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オーストラリアのカフェ

やはりカフェと言えば基本はコーヒーですよね。
オーストラリアのカフェで圧倒的に飲まれている飲み物もコーヒー。

イギリスの植民地だったので紅茶のイメージがありますが、実はコーヒー好きが多いのです。

オージーは1日平均3~4杯コーヒーを飲むと言われています。自宅や職場の近くに行きつけのカフェやお気に入りのカフェがあって、出勤前に1杯、ランチに1杯、または帰り際に1杯、と思い思いにオーダーし、店内で、またはテイク・アウェイでコーヒーを楽しんでいます。

そして、オーストラリアのコーヒーといえばエスプレッソが基本。ほとんどのカフェではエスプレッソマシーンでいれたコーヒーが提供されます。

カフェといっても、大手コーヒーチェーンからローカルチェーン、個人経営のカフェなど、その数は圧巻です。大きな通りはカフェが軒を連ねているほど。

特に、個人が経営する小規模なカフェはそれぞれに個性があるので、カフェ巡りが楽しいんです。

飲み物やケーキ類だけではなく食事もできるので、レストラン代わりに使える憩いの場です。

個人経営のカフェはだいたい午後の3時頃に閉店するところが多いですが、大手は5、6時まで営業しています。

オーストラリア国内のスタバ

オーストラリア国内のスタバ

日本ではエスプレッソといえば、おなじみの「スターバックス 」(スタバ)。足しげく通っている人も多いと思います。

でも、そのスタバ、オーストラリアではめったにお目にかかれません。

スタバは、2000年にオーストラリアに1号店をオープンさせ、店舗数を拡大させていきましたが、約1億米ドル(約102億円)の赤字を出して、2008年に84店舗の約4分の3を閉鎖。

残りの店舗の運営権を、東海岸に拠点を置くコンビニ国内最大手の企業に売却しました。

現在、スタバがあるのは大陸の東側に29店舗(QLD州9店舗、NSW州12店舗、VIC州7店舗)のみです。

世界最大手のスタバでさえ撤退を余儀なくされてしまうとは・・・オーストラリアにはやはり独自のカフェ文化が根付いているんですよね。

【追記1】2019年5月17日現時点のStarbucks Australiaの店舗数は、QLD州14店舗、NSW州19店舗、VIC州13店舗です。少しずつ増えてますね。

【追記2】2022年12月22日時点の店舗数は、QLD州20店舗、NSW州23店舗、VIC州18店舗です。

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スタバが浸透しなかった理由

参入前からオーストラリアにはエスプレッソやカフェ文化が根付いていた

イギリスから独立後はもともと紅茶文化でしたが、戦後に急増したイタリア系を始めとするヨーロッパ人の移民は家庭では本格的なコーヒーを飲んでいたといいます。

やがて、1980年代後半になると、主にイタリア系の移民によって、ラテやカプチーノといったエスプレッソ系のコーヒを提供するカフェが次々と展開され、カフェが新しい飲み物を飲む場所として多くの人々に受け入れられていったようです。

とりわけ大きく発展したのは1990年代後半から2000年初期。カフェの外に椅子やテーブルを置いてはいけないというルールが一部の州で解禁されたことをきっかけに、屋外席でコーヒーを楽しめるという理由でカフェの人気が高まって店舗の出店に拍車がかかったということです。

次第にロング・ブラックやフラット・ホワイトといった独自のコーヒーが考案されて、オーストラリア独自のカルチャーとして浸透していきました。

現在では、カフェ以外でも、レストラン、ガソリンスタンドの売店やコンビニ、オフィスや家庭でも各種エスプレッソマシーンを備えているところが多いです。インスタントコーヒー以外は、オーストラリアで消費されるコーヒーの大半はエスプレッソなのです。

個人経営のカフェが充実している

オーストラリアのカフェ

オージーのコーヒー好きを支えているのは、個人経営の小さなカフェの数々。国内には、個人経営の小規模なカフェが6,500店舗あるとされています。

家具に凝った店、アートに凝った店、従業員がユニークな店など、それぞれに特徴のある店があちこちに点在していて、おいしい店には常連客がついています。

都市部でも地方でも、小さなカフェにも腕の良いバリスタが活躍しています。世界的に見てもオーストラリアのバリスタの評価は高く、それ故エスプレッソの品質も高いと言えます。

なので、ふらっと入った小さな店でもおいしいコーヒーが味わえることも多いのです。

既存の大手コーヒーチェーンの存在

オーストラリアの代表的な大手コーヒーチェーンと言えば、「グロリア・ジーンズ」と「コーヒー・クラブ」。だいたいどこのショッピングセンターにも入っているし、街のメインストリートには必ずといっていいほど見かけます。

スタバはこういうチェーン店と比較しても料金が高めだったことと、メニュー構成が現地に合わせた内容になっていなかったことが消費者に敬遠された要因の一つと言われています。

事業コストが高い

オーストラリアの成人の最低賃金は現在、時給17.7豪ドル。日本円にすると時給1,500円弱です(1豪ドル=83円)。この時給、かなり高いですよね。この最低賃金が国によって保証されています。

日本では都道府県ごとに異なり、一番高い東京で932円、最低の沖縄や宮崎で714円、全国加重平均額が823円です (出典: 厚生労働省の平成28年度地域別最低賃金改訂状況)。

また、店舗の家賃も他国の都市部と比較すると高いと言われているので、経営側としては人件費やテナント料などのコストの高さがかなりの障害となるため、利益を出しにくいと言われています。

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オーストラリアのコーヒーの種類

 

最後に、オーストラリアの一般的なコーヒーの種類を紹介します。ほとんどのショップでは、ミルクは通常のミルク以外にもlow fat milk(低脂肪乳)、soy milk(豆乳)がオプションで選べます。

1. ショート・ブラック
エスプレッソのストレート。
小さなエスプレッソ・カップに入れて出てきます。
量を増やしたいときは「ダブルで」と注文できます。

2. ロング・ブラック
日本のブラックコーヒーに近いのがこれ。
熱湯にエスプレッソを注いだもので、ショートより薄く、量が多いです。

3. カプチーノ
恐らく一番人気ではないでしょうか。
エスプレッソ、温めたミルク(スチームドミルク)、泡立てたミルク(フォームドミルク)を同量ずつ入れたもの。

4. カフェ・ラテ
これも人気ありますね。
エスプレッソに、温めたミルクと泡立てたミルクを注いだもの。
カプチーノとの違いは、ミルクの量。
温めたミルクと泡立てたミルクの比率が半々なのがカプチーノで、温めたミルクの方が多いのがラテ。

5. カフェ・モカ
「モカ」はコーヒー豆の種類ですが、オーストラリアのカフェで「モカ」と付くメニューは「チョコレート入り」という意味。
カフェ・モカは、エスプレッソにチョコレートを入れて温めたミルクを注ぎ、泡立てたミルクやホイップクリームをのせた甘い飲み物。

6. フラット・ホワイト
泡立てたミルクではなく、泡のない(つまりフラットな)ホットミルクを入れたコーヒー。

7. マキアート
エスプレッソに泡立てたミルクを少量注いだもの。

出典: studystayaustralia.com

8. アイス・コーヒー    
これがくせ者。
日本のアイスコーヒーを期待してはいけません。
「アイスコーヒー」とオーダーすると、エスプレッソに冷たいミルクとアイスクリームまたはホイップクリーム(または両方)が豪快にのっかった超甘~い飲み物が出てきます。

普通の冷たいコーヒーが欲しい場合は、「Iced long black (アイスト ロング ブラック)」とオーダーしましょう。

 

=====
私は日本にいるときはほとんどコーヒーは飲まなかったのに、オーストラリアに来てから飲むようになりましたね。コーヒーの苦みと後味が苦手だったのが、泡泡のミルクが入ったカプチーノを試したら飲みやすかったのがきっかけだったような気がします。最近はカフェインを減らすようにしているのでそれ程の量は飲んでいませんが。

コーヒーはたまに飲む程度なので味にはうるさくありません。私は味がどうのこうのよりも、熱いものは熱い状態で飲みたい性分なので、ぬるいコーヒーが出てくるとハズレ気分になる程度。

それよりもカフェの雰囲気が好きです。お気に入りのカフェでお気に入りの人とおしゃべりしている時間が好きです。

最近のカフェは、フレッシュジュースやスムージーを出すところが増えてきたので、コーヒー派でなくても飲み物には困りません。食事もヘルシーなチョイスが多くなってきましたし。

ただ、オーストラリアのカフェのお菓子には手が伸びません。見た目も地味で華やかさに欠けるばかりか、味も砂糖の塊を食べている気分になります。日本のケーキの繊細さは素晴らしいです。

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