今年初めに父を亡くして以来、葬式のやり方や墓の存在や自分が死んだ後の骨の始末について考える機会が増えましたた。
つい最近も、ネットニュースで日本では改葬が増えているという記事が目にとまりました。
墓じまいは聞いたことがありますが、「改葬」は聞き慣れない言葉です。墓じまいとどう違うのでしょう。
改葬とは?
改葬とは、墓に埋葬された遺骨を別の墓地や、永代供養墓、納骨堂などに移動させることだそうです。つまり、墓の引っ越しですね。
遺骨を移動するには、自治体や墓地管理者と所定の手続きを踏み、檀家を外れるための寺へのお布施などが必要になるということ。
改葬の件数は年々増える傾向にあって、2016年には9万件近い改葬が行われたそうです。予想よりずっと多い数字。
改葬が増えている理由は、墓を守る人が引っ越すなどしてお墓が遠くなったので、墓参しやすい場所に移すというパターンや、墓を守る人がいなくなって、離れて暮らす親族の家の近くに遺骨を移動するパターンが多いようです。
墓じまいとは?
「墓じまい」はたびたび耳にします。その響きからだいたいの意味は察することができますよね。
墓じまいは、墓を撤去して更地に戻し、遺骨を散骨したり手元供養(遺骨を自宅などの身近において供養する)することです。
つまり、墓じまいは遺骨の引っ越しです。
実家には先祖代々の墓があります。一人暮らしの母が死んで、実家に住む人がいなくなれば、いずれは墓じまいすることになるんだろうと考えています。今のところ改葬してまでなんらかの墓を持とうとは考えていません。
墓にこだわる叔父
関西に叔父がいるのですが、その叔父はなぜか墓に執着していて、自分が死ぬ前に墓を建てたいと、息子夫婦に相談したら、息子の嫁に猛反対されたらしいのです。
墓は残された家族の重荷になるだけだと。引っ越しして遠くに移動したら、墓参りも維持管理も大変だから、墓はない方がいいと、きっぱり言われたと、不満げでした。
叔父には悪いですが、私もお嫁さんに同感。
遺族の負担はもちろん、自分が死んで望みの墓に入れたとしても、遺族がちゃんと供養して墓を守ってくれるかどうかなんて自分では確認できないというのに、と思うんですよね。
叔父の奥さんは永代供養墓でもいいと考えているらしいのですが、叔父は○○家の墓にこだわっていて、自分の墓が持てないんだったら、供養してもらう金を払うから実家の墓に入れてもらおうかな? と、本当とも冗談とも取れないことを、父の葬式の時に言ってました。それはそれで問題ですが。
死生観はそれぞれ違うので、墓にこだわる叔父を一方的に批判することはできませんが、死んだ後のことよりも、生きているうちにやりたいことにお金を使った方がいいのではと思うんですけどね。
個人的には、自分が死んだら火葬だけして海か山に全部跡形もなく散骨しておしまいにしてもらえればいいと考えているので、墓には無関心です。
子供もいないし、最後はおひとり様で死ぬであろうから、死んだ後の火葬と散骨を頼める人を用意しておくのが自分の終活の一つになると思っています。
たとえ家族と呼べる人がいたとしても、さっさと忘れてもらって結構。供養されないからといって恨んだりもません。
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核家族化や少子化、高齢化で、墓を代々継承することが難しくなっているので、墓の捉え方が変わってくるのも当然です。
墓じまいや改葬という選択や、さらに、故人との関わり方を、必ずしも従来の墓という形式に納める必要もないという考え方が増えるのは歓迎します。
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