graves on cemetery

更新 2019.05.6

家族葬とは? 家族葬に定義や決まりがあるの?

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数ヶ月前に父が亡くなって、初めて葬式を主催した経験をお伝えしました。
田舎の葬式はしきたり・慣習を大きく外れないやり方が無難

現在は、葬式に対する考え方もやり方も多様化してきていて、都市部では従来の一般葬よりも家族葬が主流だと聞きます。

なんとなく家族葬がいいなと思っているけど・・・家族葬ってやり方に何か決まりがあるの? って感じている人は多いと思います。

残りの家族の送り方と自分の終活のためにも、「家族葬」ってどういう葬式のことをいうのか知っておいたほうがいいでしょう。

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家族葬の定義とは?

結論としては、家族葬には明確な定義がないのが現状です。

いろいろ調べてみると、2つの代表的な見解があるように思います。
■多くの葬儀社の見解
「家族や親しい人を中心とした小規模に行う葬式の総称。どのような内容で誰に知らせるのかは、故人の遺志や遺族の意向によって異なる」ということです。

つまり、「家族葬」には明確な決まりごとや参列者の範囲の規定がないのです。ということは、「家族葬」とは「小規模なオーダーメイドの葬式」と言い換えられるような気がします。

葬儀社側の見解からすれば、葬儀の参列者18名だった父の葬式も家族葬のうちに入るんでしょうか。

■その他の代表的な見解
一部の葬儀社や個人の間でも、「家族葬は家族 (遺族) のみで行う葬式のことだから、それ以外の人は呼ばないし、香典も弔問も断るのが普通」だという認識も多くあります。密葬の本葬がないイメージです。実際、私の周りにもこのように解釈している人もいます。

どちらにも共通しているのは、小規模な葬式ということです。

そういえば、葬儀社に父の葬式を依頼するとき、「家族葬って言うのかどうかは分かりませんが、自宅でこじまりやりたいんですが・・・」と言うと、葬儀社の担当者は「家族葬といってもやり方はいろいろありますから、希望に合わせて行えますよ」と言っていたのを思い出しました。

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家族葬の由来

家族葬という言葉が出始めたのは1990年代で、ある葬儀社が家族中心で行う規模の小さい葬儀という意味合いで使ったのが始まりと言われており、2000年以降に広く知られるようになったようです。

家族葬が広がった理由

家族葬が広がりを見せた背景にはいくつかの理由が考えられます。

■大規模な葬式に対する疑問
従来の葬式は、遺族の勤務先の関係者や友人・知人など、故人とはあまり関係のない人も大勢集まります。参列者が増えて葬式の規模が大きくなるにしたがって、精神的にも経済的にも遺族の負担が増えていきます。

そうした大規模な葬式を見直して、故人と深いつながりがある人だけで和やかに別れの時間を過ごしたいと考える人が増えてきたといいます。

■地域内のつきあいの希薄化
都会に住んでいると、地域内のつきあいが希薄で隣りの住人の名前も顔も知らないことはよくあることですが、その分他人の干渉がないので、近所や親戚と密接なつきあいのある田舎とは違って、自由な考え方や発想で物事に臨めます。その点だけとっても、従来の葬式のやり方を疑問視して、もっと内々の葬式を希望する動きが出てきてもおかしくありません。

また、経済発展とともに核家族化が進むにつれ、死ぬまで同じ土地に住む人が大半だった時代は終わり、生活の拠点を都市部に移す人や、仕事上の都合やよりよい環境を求めて一生のうちに何度も住む場所を変えることは珍しくなくなりました。そうなると、各地域でのつきあいが薄れていくので、葬式のような儀式の中心は各家庭に移ることになります。

また、現代は高齢者の一人暮らしが多くなっています。親元を離れ別の土地に世帯を構成している子供たちは、親が暮らす田舎のコミュニティとはつきあいがなくなっているため、親の葬式を出すときは身内だけでこじんまりやる方が簡単だと考える人は多いはずです。

■高齢化・少子化・晩婚化による参列者の減少
長寿化により、高齢で亡くなると人づきあいはほとんどなくなっているうえ、故人と関係があった人の年齢も上がっているので、体調不良や既に亡くなっているなど、参列できる人が少なくなります。故人のみならず喪主の高齢化も進むので弔問客はさらに少なくなりますね。

また、少子化や晩婚化によって故人の子供の数や各世帯の構成人員が少なければ、葬式の経費や労力の負担は大きくなるので小規模にならざるを得ません。

家族葬に対する認識のズレによる弊害

明確な定義がなく浸透し始めて間もないだけに、人によって家族葬の認識が異なるめにトラブルが生じやすくなっています。

家族葬は安く済むと思っている人も多いようですが、やり方によっては、小規模だから必ずしも節約になるとは限りません。

また、主催する側は家族葬だから弔問客を拒否する遺族もいれば、拒否しない遺族もいます。参列する側は、家族葬と聞いたから弔問に行ってはいけないと考える人もいれば、行っても構わないと判断する人、行ってもいいものかどうか迷う人もいます。このように、両者の意図と認識にずれが生じて後味の悪い思いをすることになります。

さらに、参列者を限定するため、呼ばれなかった人から批判されたり、葬式後に弔問客の対応に追われることも考えられます。

現時点では、家族葬は主催者側にも参列者側にとっても分かりにくい葬式の名称のため、弊害も少なからずあります。

=====
「家族葬」とは一般的に、家族や親しい人を中心とした小規模に行う葬式の総称として用いられていますが、明確な定義があるわけではないのが現状です。

定義が曖昧な新しいかたちの葬式だけに、個々の認識にズレが生じてトラブルの元になることもあります。

考えるに、家族葬は、時間や経費を節約するための葬式ではなく、故人との別れを和やかに過ごすためのオーダーメイドの葬式と言えそうです。

葬式に対する価値観が多様化してきているし、家族が置かれている環境はさまざまなので、やり方も変わってくることは自然なこと。まずは、故人や遺族の意思でやっているやり方を尊重すべきでしょう。

【関連記事】
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