歩行者がいるのに止まらない日本の車

更新 2019.06.3

信号のない横断歩道 歩行者がいるのに止まらない日本の車

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オーストラリアに住んでいて日本に一時帰国すると、信号のない横断歩道を渡ろうとしていても車が止まらないことに驚きます。一般の道路に限らず、ショッピングセンターの駐車場内でも頻繁に体験します。

アレっ? 横断歩道は歩行者優先だよね? 日本は違ったっけ? と調べ直したこともあるほどです。

止まらない車のほうが圧倒的に多く、たまに止まってくれる車に遭遇すると涙ものです。

最近、JAFが公開した「信号機のない横断歩道」における歩行者優先についての実態調査の結果内容が目にとまり、改めて日本のドライバーのモラルの低さに愕然としてしまいました。

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信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしていたら、車は停止しなければならない

まず、このルールについて確認しておきましょう。

ここオーストラリアでは、信号のない横断歩道では車が止まるのがルールなので、当然のように車は止まります。一応安全確認はしますが安心して渡れます。

それじゃ、日本はどうでしょ? もちろん、信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしていたら、車は停止しなければなりません。

これは、道路交通法第三十八条でちゃんと定められているルールです。

道路交通法第三十八条(横断歩道等における歩行者等の優先
車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

仮に法律がなかったとしても、事故防止のためには歩行者を優先させる必要がありますし、横断歩道の前では徐行が基本です。

道路上では、車が幅を利かせていますが、車はとんでもなく破壊力のある物体です。車VS歩行者、を考えてみれば、車が圧倒的に強いことは誰でもわかります。だから、車を運転する人は歩行者という弱者を守るのは当然であり義務なのです。

車を運転する権利もあれば、横断歩道を渡る権利もありますから、互いに尊重しなければいけませんよね。

横断歩道で車が歩行者を妨害する違反が横行している実態

傲慢ドライバー

冒頭でも触れた、JAFが2018年8月15日(水)~9月13日(木)に全国で実施した「信号機のない横断歩道」における歩行者優先についての実態調査によると、

信号機のない横断歩道で、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車の割合は、全国平均で「8.6%」。

なんですか、この数値。1割にも達していませんよ。ということは、9割以上の車は渡ろうとしている歩行者がいても止まらないのです。

違反が見つかれば罰金や免許の点数が引かれる、れっきとした規則なのにもかかわらずです。

私の経験では、一時停止しないドライバーたちは(ほぼ全員ですが)、強面のやっちゃんなどではなく、お年寄りから若者まで男女問わず、ごく普通の人たちです。後ろに子供を乗せた若いママさんもいれば主婦と思われる人もいます。

しかも、横断歩道に半分足を踏み入れているときでも、平気で走り抜けるドライバーもいますし、わざわざクラクションを鳴らして、俺様が通るから引っ込んでろ! と言わんばかりに、歩行を妨害するドライバーもいます。

このような歩行者妨害がなくならない限り、特に歩行が遅い高齢者や子供たちは安全に暮らせません。

これはもう、ドライバーによる歩行者へのパワハラですよね。日本の交通安全の危機といってもいいかもしれない現象です。

いつからこんなに酷い状態になってしまったんでしょう。2、30年前はもっと歩行者優先が守られていた記憶がありますが、記憶違いでしょうか。

この実態は、外国人観光客や日本に住む外国人にも驚かれている一面でもあります。日本は安全な国だと思っていたけれど、危ない目に遭ったという声は私の耳にも届きます。

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一時停止しないドライバーの言い訳

信号のない横断歩道で止まらない言い訳

2017年6月にJAFが今回の実態調査に先駆けて行った、信号機のない横断歩道に関するアンケート調査では、一時停止しない理由は下記のとおりでした(最大3つまでの複数回答なので合計が100%を超えます)。

1. 自車が停止しても対向車が停止せず危ないから(44.9%)
2. 後続から車がきておらず、自車が通り過ぎれば歩行者は渡れると思うから(41.1%)
3. 横断歩道に歩行者がいても渡るかどうか判らないから(38.4%)
4. 一時停止した際に後続車から追突されそうになる(追突されたことがある)から(33.5%)
5. 横断歩道に歩行者がいても譲られることがあるから(19.9%)
6. 自車が停止した際に後続車からあおられる(クラクションを鳴らされる等)から(12.6%)
7. 自車が停止すると後続で渋滞が起きてしまうなど、後続車等に申し訳ない気持ちがある(交通流を乱したくない)から(12.0%)
8. 一時停止することが面倒だから(8.9%)
9. 先に横断歩道があることが判りにくいから(7.6%)
10. 何も考えていない(5.2%)
11. そもそもこのような場面で歩行者優先だったということを知らなかった(4.2%)
12. 警察が取り締まりしていないから(3.7%)
13. その他(6.4%)

信号がない横断歩道では歩行者優先だということを知らなかった人が4.2%います。知らないのも問題ですが、大方の人は知っていながら一時停止していないということが明らかです。

2、3、8、10、12は身勝手すぎる論外の理由です。

5. 横断歩道に歩行者がいても譲られることがあるから(19.9%)については、歩行者が、止まらない車に慣れすぎている証拠です。たまに止まってくれる車があっても恐くて素直に渡れないのです。

それ以外の理由は、横断歩道の手前から早めに減速すれば、後続車に自分の車が停止することを早めに伝えることができるので追突される可能性は低くなります。一時停止して後続車に追突されても、それは歩行者の責任ではなく、速度と車間距離が不適切だった車側の責任です。また、あおられたって渋滞したって、正しいことをしているのだから毅然としていればいいだけの話です。

あおる、あおられる、渋滞が起きてしまうのが気になる・・・せかす、せかされるは日本の特徴でしょうか。

ドライバーは歩行者でもあるはず

信号のない横断歩道

車を運転するドライーバは、横断歩道を渡る歩行者の立場でもありますよね。

歩行者として横断歩道を渡るときに、歩行者優先のはずの横断歩道で車が止まってくれなかったり、暴言吐かれたり、クラクション鳴らして車が先だと妨害されたりしたら、どう感じますか?

ドライバーの立場になったとたんに、どうして平気で歩行者を無視できるのか不思議でなりません。

そのくせ、カルガモの親子や犬が道路を渡るときには、横断歩道でなくても止まりますよね。人間は動物以下なんでしょうかね。どうか一緒に扱ってください。あなたも人間なのですから。

=====

高齢者や子供のような弱者が横断歩道で無視される危険性は、私も高齢の親を持つ身として軽視できない問題です。

私の場合、日本でもどこでも信号のない横断歩道を渡るときは、「渡りますよ~止まってね」の意味を込めて、必ずドライバーの方を見て軽く手を上げてから渡るようにしています。このとき、ニコッと笑顔を送ります。運転者の立場では、横断歩道前では余裕を持って停止し、歩行者が立ち止まっていたら手招きジェスチャーで誘導し、手を上げて感謝されたらこちらも笑顔で手を上げて返します。

信号のない横断歩道では、ドライバーは、歩行者が渡ろうしているときは当然止まって歩行者の安全を確保してあげる必要があります。歩行者が躊躇しているときは、ジェスチャーで誘導してあげましょう。

そして、歩行者側も安全を確認した上で、手を上げるなり笑顔を送るなどして、ドライバーに横断する意思表示をして渡るようにすれば、お互い気分良く通過できるのではないでしょうか。

多くの外国人を迎えることになる2020年のオリンピックでは、ルールを無視したドライバーの恥ずべき行為で外国人を驚かせたり、威嚇したりすることがないよう、意識を改めさせる施策が早急に必要な気がします。

歩行者優先の横断歩道で平気で歩行者を無視するドライバーは、いずれ痛い目に遭うのは自分だということを自覚しないといけません。

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